「特例子会社」とは
皆さんは、「特例子会社」という言葉を聞いたことがありますか。障がい者の雇用に関係していない方はご存じない方がほとんどかと思います。実際のところ、オーシャンに見学や実習にいらっしゃる方でも「聞いたことはあるんですが…。」という方も少なくありません。
障害者雇用促進法によって、企業には障がい者の雇用義務が課せられています。常用労働者の数に対する一定の割合で障がいのある方を雇用しなければなりません。この率は法定雇用率と呼ばれ2015年の段階では2%、つまり100人規模なら2名を雇用しなければなりません。
2014年の民間企業の実雇用率は全企業の平均で1.82%。毎年上昇傾向にあるもののまだ法定雇用率を達成することができていません。法定雇用率を達成している企業の割合は約45%。残念ながら、未達成企業の割合が過半数を超えています。ただし、達成している企業に不足している障害者の数が2名以内の企業まで含めると、その割合は90%以上となります。
未達成企業が多い理由は様々でしょうが、法令等を遵守する観点からも障がい者雇用の機会を生み出したいと考えていらっしゃっても、なかなか思うように進まないと悩まれている企業も少なくないでしょう。障がい者を雇用し、育成し、定着していくには、障がいと個々の特性を十分に理解した配慮や戦力化への仕組みが必要です。その配慮や仕組みと今までの経営スタイルがなかなか合致しにくいというのも雇用が進まない理由のひとつかと思います。
特別の配慮
「特例子会社」とは、企業が障がい者の雇用を進めやすくするために法律で定められた制度です。障がい者の雇用に「特別の配慮」をした子会社を設立し、一定の要件を満たすと特例子会社として認められます。特例子会社で雇用した労働者を親会社で雇用しているとみなして合算して雇用率を計算することができます。
オーシャンの親会社である湘南ゼミナールも、なかなか障がい者の雇用が進まない状況でした。多くの成長企業と同じく、湘南ゼミナールは日々めまぐるしく変化しています。その環境下で障がいのある方が働き続けることは難しいと判断し、特別の配慮のしやすい特例子会社オーシャンの設立を選択しました。
湘南ゼミナールは、オーシャン設立後2年で、幸いにも法定雇用率を達成することができました。オーシャンでは、障がいのある方が社会に参画し、健やかに働き続けられるよう様々な取組みを行っています。まだまだ不十分ですが、粘り強く努力するスタッフに恵まれ、1年以内の離職者は出ておりません。特例子会社はノーマライゼーションの観点から問題があるという意見もありますが、様々な状況を踏まえると障がい者に雇用機会を確保するための現実的な選択ではないでしょうか。今後も、オーシャンの特集記事で、特例子会社の持つさまざまな面についてご紹介していきたいと思います。
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