特例子会社の「特別の配慮」

特別の配慮

特例子会社とは、法律で定められた一定の要件を満たした障がい者の雇用に「特別の配慮」をした子会社のことです。特例子会社として認められると、親会社の雇用率算定の際に特例子会社で雇用している障がい者の数も合算されて算出されます。
では、この「特別の配慮」にはどのようなものがあるでしょうか。特例子会社は、2015年5月で391社となっています。その取り組みは様々ですが、ここでは多くの特例子会社で実施されている代表的な取り組みをご紹介します。

労働時間の配慮

親会社には既に就業規則があり、その規則に従って働くことになります。一方、障がいのある方は、例えば週40時間働くことが難しい方、定期的に通院が必要な方、ラッシュ時の通勤が困難な方がいらっしゃいます。特例子会社では、障がいのある方の雇用を前提に設立しますので、労働時間などを障がいのある方にとって働きやすい柔軟な仕組みとして作り上げることが可能です。特例子会社でなくても、柔軟に対応していらっしゃる会社もありますが、障がい者の方も多くの方と異なる条件のため申し訳ないと言う気持ちになってしまう人もいらっしゃるようです。
オーシャンでは、就業時間は10時から17時とラッシュと重なりにくい時間帯にしています。残業は行っていません。また、週あたりの勤務時間も開始時にご希望がある場合は短い時間から徐々に増やして30時間にしていく形をとる場合もあります。通院などの休暇や遅刻早退は、勤務時間外の受診が難しい方など許可しています。このような配慮を行うことで、多くのスタッフは仕事を続けることで業務に習熟しオーシャン全体の生産性向上に大きく寄与しています。

支援スタッフの配置

特例子会社でなくても障がい者を5人以上雇用していれば支援するスタッフはいらっしゃいますが、特例子会社の場合にはその要件で「障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること」とあり、具体例として「障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等」と定められており、9割以上の特例子会社で業務についての指導・支援を行う特別のスタッフを配置しています。障がいのある方は、その障がい特性から「できないこと」「苦手なこと」があります。しかし、同時に十分に貢献していただける「強み」「長所」「得意なこと」もあります。支援にあたるスタッフは、個人の特性に合った業務を担当していただくよう調整し、治具などで苦手なことをできるようにするなど、そのスキルや能力を開発してしっかりと貢献できるように取り組んでいます。また、より力の発揮できるように環境を整えることも大切な役割です。
オーシャンでも、支援を担当するスタッフは就労移行支援機関の社内研修に参加させていただいたり、障害者職業生活相談員の研修、職場適応援助者(ジョブコーチ)研修などを受講しています。

会社は障がい者が働きやすく、その能力を引き出す仕組みを作り、障がい者は会社の一員として貢献できるよう努力を続ける。障がい者が働き続けるためには、会社と障がい者双方の歩みよりが必要ではないでしょうか。このような特別の配慮を行うことで、障がい者の能力を最大限に引き出して、生産性の高い会社の「戦力」として活躍していただくことが特例子会社の役割のひとつです。そして、この役割は障がい者の雇用の固有の問題ではなく、障がいのあるなしに関わらずより多くの方が活躍できる形につながると私たちは考えています。

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